筋トレは筋肉痛にならないと意味がない?効果との関係をトレーナーが解説
「昨日筋トレしたのに、全然筋肉痛がない……」
「これってトレーニングの意味がなかったの?」
筋トレを始めたばかりの方から、実際によく聞かれる質問です。
先に結論をお伝えすると、
筋肉痛がなくても、トレーニングに意味がなかったとは限りません。
筋肉痛の強さだけで、筋トレの効果を判断することはできません。
実際、筋肉痛は筋損傷の程度を正確に反映する指標ではないことが報告されています。
また、筋肥大についても、筋損傷そのものが必須条件とは考えられていません。
だからこそ私は、お客様に筋肉痛の有無よりも、
「前回より何ができるようになったか?」
を見てもらうようにしています。
今回は、10年以上パーソナルトレーナーとして指導してきた経験をもとに、筋肉痛と筋トレ効果の関係や、トレーニングの成果を判断するときに確認したいポイントについて解説します。
筋肉痛がない状態も筋トレには意味がある

筋トレの翌日。
身体を起こしてみても、ほとんど痛くない。
すると、
「昨日のトレーニング、軽すぎたのかな?」
と不安になるかもしれません。
でも、筋肉痛がないからといって、
「筋肉に何の刺激も入っていなかった」
と判断することはできません。
筋肉痛は、特に慣れていない運動や、筋肉が伸ばされながら力を発揮するエキセントリックな動作などで起こりやすいとされています。
一方で、同じような運動を繰り返して身体が慣れてくると、同様の運動をしても筋肉痛や筋損傷の反応が小さくなることがあります。
つまり、
「筋肉痛が減った=トレーニングの効果がなくなった」
とは限らないのです。
見るべきなのは「筋肉痛」よりパフォーマンス

私がお客様に確認してほしいのは、
筋肉痛が来たかどうかではありません。
例えば、
前回よりきれいなフォームでできた。
スクワットが深くできるようになった。
同じ重量が以前より楽に感じた。
扱える重量が少し増えた。
同じ回数でも余裕が生まれた。
息が上がりにくくなった。
こうした変化です。
トレーニングを続けていくうえでは、
「前の自分より何ができるようになったのか?」
を見ることが大切です。
筋肉痛は分かりやすい感覚なので、つい成果のように感じてしまいます。
でも、
痛みの強さと成長の大きさは同じではありません。
筋肉痛ではなく、自分自身のパフォーマンスの変化を見ていきましょう。
私も昔は「筋肉痛=良いトレーニング」だと思っていた

実は私自身、トレーニングを始めたばかりの頃は、
「トレーニングの強度=達成感」
だと思っていました。
毎回かなり追い込む。
翌日起きて身体が痛い。
「昨日は良いトレーニングができた!」
そう感じることに、強い満足感を覚えていました。
トレーニングそのものがストレス発散になり、
「今日も頑張った」
という充実感を得られる。
その感覚自体が悪いわけではありません。
ただ、当時の私は、
「筋肉痛を作ること」そのものを目的にしすぎていた
ように思います。
今は考え方が変わりました。 トレーニングによって気分転換する。 前回よりできたことに達成感を感じる。
自分が改善したい部位に、目的に合ったトレーニングをする。
そして、それを長く続ける。
今はそうした考え方で、自分自身のトレーニングにも、お客様の指導にも向き合っています。
初心者ほど最初は筋肉痛が強く出ることがある

運動習慣がなかった方が筋トレを始めると、最初の数回は筋肉痛を強く感じることがあります。
今まであまり行っていなかった動作を突然行うためです。
ところが、同じような運動を繰り返していくと、身体がその刺激に適応し、最初ほど強い筋肉痛を感じなくなることがあります。
これは研究でも「repeated bout effect(反復効果)」として知られている現象です。
ですから、
「最初は筋肉痛になったのに、最近ならなくなった」
からといって、
トレーニングが無駄になったとは限りません。
むしろ、身体が運動に慣れてきた可能性もあります。
「運動経験がほとんどないけれど、パーソナルジムへ行っても大丈夫?」という方は、運動初心者がパーソナルジムを利用するメリットや、初めて通うときの不安についてこちらの記事で解説しています。
筋肉痛が来ることを、私はほとんど目標にしていない

パーソナルトレーニングをするとき、私は、
「明日、筋肉痛にさせよう」
とはほとんど考えていません。
特に初心者の場合、最初に大切にしているのはフォームです。
適切な姿勢。
関節の動かし方。
狙った部位への負荷。
呼吸。
適切な休憩。
こうした基礎を身につけてもらいます。
そのため、フォームを覚える段階では重量を抑えることもあります。
翌日に筋肉痛がほとんどないこともあります。
お客様からすると、
「これで本当にいいのかな?」
と思うかもしれません。
でも、私はそれで問題ないと考えています。
きれいなボディラインを作るためにも、その前に正しく身体を動かす基礎を作る。
その先に、重量や運動量を少しずつ高めていく段階があります。
筋肉痛が出やすいのはどんなとき?

筋肉痛は、普段とは異なる刺激を身体に与えたときに起こりやすくなります。
例えば、
久しぶりに筋トレをした。
初めての種目を行った。
普段使っていない動きをした。
トレーニング量や負荷が大きく変わった。
特にエキセントリックな負荷が増えた。
こうした場合です。
だからこそ、
「新しいメニューに変えた翌日だけ筋肉痛が強くなった」
ということも珍しくありません。
逆に、同じ刺激に慣れてくれば筋肉痛が弱くなることがあります。
それ自体はおかしなことではありません。
筋肉痛がなくなったらメニューを変えるべき?

ここも、
筋肉痛だけを基準にはしません。
私は通常、ある程度同じメニューを継続しながら、
フォーム。
重量。
回数。
可動域。
主観的な運動強度。
などを確認します。
例えば、筋肉痛がなくても、
前回10kgだったものが12kgになった。
同じ重量で8回だったものが10回できた。
フォームが安定した。
可動域が広がった。
のであれば、トレーニングは進歩しています。
逆に、数週間続けてもパフォーマンスにほとんど変化がなく、現在のプログラムが目的に合わなくなってきたと判断すれば、種目や負荷、回数などを見直すことがあります。
私はこれを、
トレーニングの「期分け」
として考えています。
同じメニューを何となく永遠に続けるのではなく、目的や習熟度に応じて刺激を調整する。
ただし、
「1ヶ月筋肉痛がないから、身体がマンネリ化して効果がなくなった」
という単純な話ではありません。
変えるべきかどうかは、筋肉痛ではなく、パフォーマンスや目的への進捗を含めて判断します。
筋肉痛だけでなく、トレーニングの頻度も身体づくりでは大切な要素です。週2回のパーソナルジムにはどんなメリットがあるのか、週1回との違いはこちらの記事で詳しく解説しています。
毎回限界まで追い込まないと身体は変わらない?

これも目的によります。
筋肉量を大きく増やすことを目標にしている方と、
運動習慣を身につけたい方。
健康維持を目的としている方。
きれいなボディラインを作りたい方。
では、必要なトレーニングは同じではありません。
近年のレジスタンストレーニングに関する指針でも、一般的な健康や筋力・筋肥大を目的とするすべての人が、毎セット限界まで追い込まなければならないわけではありません。
大切なのは、
「きつければきついほど良い」ではなく、目的に合わせて必要な刺激を与えること。
です。
「パーソナルジムって毎回限界まで追い込まれるの?」と不安な方は、初心者に適したトレーニング強度や、きつさの調整方法についてこちらの記事で詳しく解説しています。
ちょいパでは主観的運動強度も確認する

ちょいパでは、運動の強度を考えるときに、
主観的運動強度(RPE)
もひとつの目安として使います。
簡単にいえば、
「自分自身が、今の運動をどれくらいきついと感じているか」
を数値で確認する方法です。
例えば0〜10で考えた場合、
0ならほぼ安静。
数字が高くなるほど「かなりきつい」。
10に近づけば、自分の中では限界に近い感覚です。
ちょいパでは、特に初心者の場合、毎回10を狙うようなトレーニングは行いません。
一例として、まずは5〜6程度の「適度に頑張っている」と感じる強度から始め、フォームや体調を見ながら調整することがあります。
これは、
「5〜6が科学的にすべての人に最適」
という意味ではありません。
運動経験や目的、その日の体調によって調整します。
私たちが大切にしているのは、
正しいフォーム。
適切な休憩。
目的に合った負荷。
そして、
次も続けられるトレーニングであること。
です。 ちょいパでは1回25分でトレーニングを行います。「25分だけでも意味があるの?」という方は、短時間トレーニングのメリットや効果を高めるポイントについてこちらの記事で詳しく解説しています。
筋肉痛がなくても、身体の変化を感じる方はたくさんいる

実際の指導現場でも、毎回強い筋肉痛が出ているわけではないのに、変化を感じている方は多くいらっしゃいます。
最近では、50代の事務職の女性のお客様から、
「以前より長時間座って会議をしていても、腰まわりの負担を感じにくくなった」
「日中に疲れを感じることが少なくなった」
といったお話をいただきました。
この方も、毎回限界まで追い込んでいるわけではありません。
主観的運動強度で5〜6程度になるよう調整することもあります。
もちろん、腰の症状や疲労感にはさまざまな要因があり、すべての方に同じ変化が起こることを保証するものではありません。
それでも、
「強烈な筋肉痛がなければ意味がない」わけではない
ことを感じてもらえる一例だと思います。
強い筋肉痛がある日は休んだ方がいい?

筋肉痛があるからといって、必ず一日中まったく動かない方がよいとは限りません。
軽いウォーキングなど、無理のない範囲で身体を動かすことは選択肢になります。
研究でも、アクティブリカバリーによって筋肉痛が軽減した例はありますが、効果の大きさや持続時間にはばらつきがあります。
そのため、
「血流を良くすれば筋肉痛が必ず早く治る」
とまでは言えません。
また、
激しい痛み。
大きな腫れ。
関節そのものの痛み。
日常生活に大きな支障が出る痛み。
などがある場合は、通常の筋肉痛と決めつけず、必要に応じて医療機関へ相談してください。
「昨日の25分、意味なかったのかな?」と思ったあなたへ

最後に、ちょいパでトレーニングをした翌朝、
「全然筋肉痛がない」
「昨日の25分、意味なかったのかな?」
と思った方へ。
大丈夫です。筋肉痛だけで昨日のトレーニングを採点する必要はありません。
次のセッションで、
前よりフォームがきれいになった。
前より少し重量が増えた。
前より呼吸が乱れなくなった。
前より身体を動かしやすくなった。
そんな小さな変化を探してみてください。
そして何より、
昨日のあなたは25分間、身体を動かしました。
運動する時間を作り、実際に行動した。
それ自体が、運動習慣を作る一歩です。
筋肉痛ではなく、
「前の自分より何ができるようになったのか?」
に目を向けてみてください。
その小さな達成感を、これからも積み重ねていきましょう。 「実際に25分のトレーニングを体験してみたい」という方は、ちょいパの初回体験の流れや服装・持ち物、トレーニング内容についてこちらの記事をご覧ください。
たった25分、されど25分。
人生に25分の習慣を。



